危険因子は血栓だけにとどまらない。東洋医学・鍼灸の世界では、妊娠中の刺激が禁忌(きんき)とされるツボが明確に定義されている。特に足の内くるぶしの上にある「三陰交(さんいんこう)」や、足の甲にある「太衝(たいしょう)」、足裏の中心近くにある「湧泉(ゆうせん)」などは、子宮を強力に収縮させる作用を持つことで知られる。
都内の産婦人科専門医は語る。「これらのツボは陣痛促進や分娩誘発の治療として使われることもあるほど作用が強い。知識のないセラピストが『むくみを取りますね』と足裏や足首周辺を力任せに指圧すれば、意図せず急激な子宮収縮を引き起こす危険性があります」。強い子宮収縮は切迫早産や切迫流産のみならず、最悪の場合は胎盤が剥がれ落ちる常胎盤早期剥離や子宮破裂を引き起こし、母子ともに命を落とす破局的な事態へと直結するのだ。