消費者が最も困惑したのは、「なぜ大手コンビニチェーンと最大手メーカーが組んでおきながら、ここまで買えないのか」という疑問でした。この品薄劇場の背景には、4つの構造的な要因が絡み合っています。
第一に、日清食品における生産キャパシティの制約です。日清食品は「カップヌードル」や「どん兵衛」といった基幹商品を24時間体制でフル稼働製造しています。新ブランドの特注フレーバーを製造するためには専用ラインの確保や既存ラインの調整が必要であり、いくらHIKAKINの肝煎り案件であっても、無限にラインを割り振ることは物理的に不可能でした。
第二に、セブン-イレブン1店舗あたりの割り当て数の少なさです。発売当初、各店舗に入荷した数はラーメン・メシを合わせても各1〜2ケース(計12〜24個前後)程度にとどまった店舗が大多数でした。都市部でも地方でも、数名のまとめ買い客が訪れるだけで即時棚が空になる数量設定だったのです。
第三に、HIKAKINのリーチ力に対する過小評価です。チャンネル登録者数千万人を超えるメガインフルエンサーの熱狂的ファン層に加え、普段カップ麺の新商品に反応しない小中学生やその親世代、さらには動画のネタを探すYouTuberまでが殺到しました。メーカーや流通側の初動予測を桁違いに上回る需要が一点に集中した結果といえます。
第四に、「みそきんメシ」のさらなる極小供給です。ラーメン以上に製造ラインが限られるカップライス形式の「みそきんメシ」は、ラーメン以上のスピードで売り切れとなり、買えない絶望感を一段と加速させました。