「休憩室で休んでいても、電話が鳴ったら取らなければならない」「客が来たらすぐレジに入ってと言われているが、時給は引かれている」――こうした職場環境に身を置くバイトスタッフの間で飛び交うのが、休憩時間時給発生の真相をめぐる疑問です。
結論から明言します。休憩時間電話番の未払い給与は、労働法上、完全に違法な不当利得であり、その時間には明確に時給が発生します。
判断の分かれ目となるのは、労働法における手待ち時間の給料発生ルールです。過去の重要判例(すし銚子丸事件・東京地裁や大星ビル管理事件・最高裁平成14年2月28日判決)においても、労働時間とは「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」を指すと明確に示されています。
電話が鳴った際に応対する義務を負っている状態や、「客が来たら対応して」と指示されて待機している時間は、たとえ実際には1本も電話が鳴らず、1人の客も訪れなかったとしても、労働から完全に解放されているとは言えません。「指示があれば即座に実作業へ移らなければならない緊張状態」そのものが、法的には指揮命令下にあるとみなされるからです。
したがって、電話番や来客待機を命じられた休憩時間は、1分単位で労働時間としてカウントされなければならず、事業主にはその分の時給を支払う法的な義務が生じます。事業主がこれに対して賃金を支払わない場合は、労働基準法第24条(賃金全額払いの原則)違反および同法第34条違反の二重の法令違反に問われることになります。