私たちが日常的に利用するコンピュータは、どのようなPCハードウェアの基本パーツによって成り立っているのでしょうか。外側のケースを開けると複雑怪奇な電子基板が広がっているように見えますが、構造自体は極めて論理的です。コンピュータの基本設計思想(ノイマン型アーキテクチャ)に基づき、主に以下の基幹パーツが緊密に連携して動作しています。
中枢を担うのがCPU(中央演算処理装置)です。「コンピュータの頭脳」と称され、ソフトウェアから送られてくる命令を解釈し、膨大な計算を毎秒数十億回という単位で実行します。近年では一般的な汎用計算を行うCPUに加え、画像処理や並列演算に特化したGPU、AIの推論処理を低電力で高速処理するNPU(ニューラルプロセッシングユニット)がハードウェア構成の中枢として不可欠な存在になっています。
頭脳がいくら優秀でも、作業するスペースがなければ効率は上がりません。そこで必要になるのがメモリ(主記憶装置 / RAM)です。例えるなら「作業机の広さ」であり、現在開いているアプリや閲覧中のWebページのデータを一時的に展開しておく場所です。作業が終わって電源を切るとデータは消えますが、読み書き速度が極めて高速であるため、CPUとメモリのハードウェア連携がマシンの機敏なレスポンスを直接左右します。
一方、電源を切ってもデータを保持し続ける「本棚」や「倉庫」の役割を果たすのがストレージ(補助記憶装置)です。かつて主流だった磁気ディスクを回転させるHDD(ハードディスクドライブ)に代わり、現在は半導体素子にデータを記録する高速なSSD(ソリッドステートドライブ)が標準となっています。OS本体やインストールしたアプリケーション、写真、書類データはすべてここに恒久的に保管されます。
これらのパーツがバラバラでは機能しません。各コンポーネントを物理的に接続し、データと電力を縦横無尽に行き交わせる巨大な基板がマザーボード(主基盤)です。人間の体で言えば血管と神経網に相当します。さらに、家庭用の交流電気を精密機器が利用できる直流電気へと安定変換して供給する電源ユニット(PSU)、高熱を発する半導体を熱暴走から守る冷却ファンやヒートシンクが組み合わさることで、1台の安定したコンピュータシステムが完成します。