13代目店主である内山雅代氏は、80代を超えた今も現役で店頭に立ち、訪れるお客一人ひとりに優しい声をかけ続けている。テレビや雑誌の取材も多い彼女だが、メディア未公開の小さな物語も数多く存在する。
かつて子供の頃に数十円の駄菓子を買いに来ていた近所の少年が、大人になり、やがて自分の子供や孫を連れて三世代で訪れる光景は日常茶飯事だ。「時代が変わっても、子供が10円玉を掌に載せてどれにしようか迷う顔は、200年前からちっとも変わらない」と内山氏は目を細める。大雨の日や厳しい寒さの日でも「近所の子供が一人でも楽しみに来るかもしれないから」と、決まった時間にシャッターを開ける姿には、商売を超えた深い地域への愛が込められている。