特定技能1号とは?2号との違いや在留期間5年の壁・最新実態を徹底解説

特定技能1号とは?2号との違いや在留期間5年の壁・最新実態を徹底解説

特定技能1号とは?2号との違いや在留期間5年の壁・最新実態を徹底解説について押さえておきたい 注意点を分かりやすく解説いたします。

特定技能1号の受入れにあたり、法律上最も厳格にチェックされるのが「報酬の同等性要件」です。出入国在留管理庁の審査基準では、「同種の業務に従事する同等程度の経験を有する日本人労働者と同等額以上の報酬を支払うこと」が受入れ企業に義務付けられています。

給与相場とコスト構造の真実

厚生労働省の賃金構造基本統計や民間の外国人雇用実態調査によると、特定技能1号の月額基本給の相場は20万〜26万円程度(諸手当・残業代除く)となっており、地域や業種によっては日本人新卒者以上の給与が支払われているケースも珍しくありません。これに加えて、社会保険の完全加入、割増賃金の適正支給が必須条件となります。

さらに企業側には、「登録支援機関」に支払う委託費用(外国人1人あたり月額2万〜3万円前後)や、入出国時の航空券代、住居確保に伴う敷金・備品手配などの初期費用が発生します。結果として、「外国人だから低賃金で雇える」という旧来の認識は完全に過去のものとなり、実質的なコストは日本人を採用・育成する場合とほぼ同等、あるいはそれ以上となっています。

なぜ特定技能外国人は転職するのか?現場取材から見えた理由

受入れ現場の取材において、経営者が最も頭を抱えているのが「特定技能1号の転職リスク」です。技能実習時代とは異なり、外国人はより良い条件の職場へ自由に転職できます。SNSコミュニティや求職ブローカーを通じて他社の給与水準や職場環境の情報は瞬時に共有されており、現場では以下のような転職理由が顕著に見られます。

都内のある外食チェーン人事担当者は次のように打ち明けます。

「地方店舗で採用した1号スタッフが、時給が150円高いという理由で半年後に首都圏の同業他社へ転職してしまいました。受入れにかかった初期費用や支援委託費を考えると大赤字です。単なる人手としてではなく、正当な昇給制度や母国語でのメンタルケアなど、組織として選ばれる努力をしなければ人材の維持は不可能です」

転職理由の背景には、単なる賃金格差だけでなく、職場の人間関係、適切な残業時間の管理、資格取得(2号や介護福祉士など)への支援体制の有無が大きく影響しています。外国人材を「期間満了で使い捨てる存在」ではなく、「将来の中核リーダー」として処遇する企業に人材が集まる構図が鮮明になっています。

前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。