「大さじ1=15g」という誤認が世間に定着した背景には、日本の計量単位の定義がある。計量法における計量スプーンの大さじは「容積15ml(cc)」、小さじは「容積5ml」と規定されている。水の場合、密度が1g/mlであるため「15ml=15g」が完璧に一致する。
しかし、粉体である砂糖をスプーンに入れた場合、粒子同士の間に無数の空気の層が形成される。調理科学において物質の重さを決定づけるのは「かさ比重(見かけ比重)」だ。
上白糖は、ショ糖の結晶の表面に微量の「転化糖(ブドウ糖と果糖の混合液)」が吹き付けられている。この水分と転化糖の作用により、しっとりとした粘り気を帯び、結晶同士がくっつき合って空気の隙間をたくさん抱え込む。結果として上白糖のかさ比重は約0.6まで低下し、15mlの容積に約9g分しか収まらない。
一方のグラニュー糖は、純度99.9%以上の極めて高純度なショ糖結晶であり、表面が完全に乾燥している。サラサラと流動性が高いため、スプーンの中で結晶同士が密に詰まり、空気の隙間が少なくなる。グラニュー糖のかさ比重は約0.8に達するため、同じ15mlの容積に約12gが詰まる物理的構造になっている。