ネット上の簡易的な感想スレッドでは「テンポが良くて可愛いポップス」と片付けられることも少なくありません。しかし、その耳ざわりの良さに騙されると、作者が仕掛けた真のメッセージを見落とすことになります。
歌詞を精査すると、「嘘つきワンダーランド」「騙し騙され生きていく」といった、自己防衛と欺瞞の言葉が繰り返し登場します。これは単に異性装を楽しんでいるのではなく、「本来のありのままの自分を晒すと、社会やコミュニティから拒絶される」という切迫した恐怖の裏返しです。
タイトルにある「テレキャスター」は、エレキギターの中でも特に音の芯が硬く、誤魔化しが利かないストレートなサウンドで知られます。一方の「ビーボーイ(B-BOY)」はブレイクダンサーやストリートの少年を指す言葉。つまり、「誤魔化しの利かない純粋な本音(テレキャスター)」を抱えながらも、「作られたペルソナ(ビーボーイ)」を演じなければならない自己矛盾が、このタイトルそのものに凝縮されているのです。