パーマをかけた日の夜に不快感を覚える最大の元凶は、特有のアンモニア臭や硫黄臭です。この「施術臭」に耐えかねて強い香料入りのシャンプーで洗い流そうとしたり、市販のヘアコロンを大量に噴霧したりする人が後を絶ちません。しかし、これは毛髪科学の観点からは明らかな悪手です。
薬剤の臭気の正体は、1剤に含まれるアルカリ剤(アンモニアやモノエタノールアミン)や還元剤(チオグリコール酸、システアミンなど)が毛髪内部に微量残留し、揮発している現象です。これらを香料でマスキングしようとすると、アルカリ成分と香料成分が毛髪表面で複雑に混ざり合い、かえって不快な「油炭臭」へと変質して数日間にわたり髪に定着してしまう事例が報告されています。
安全なパーマ薬剤の匂い消しを行いたい場合、最も理にかなっているのは「炭酸泉スプレー」やサロン専売の「ヘマチン配合ミスト」の活用です。ヘマチンは残留アルカリを除去しつつ、未反応の還元剤を消臭・酸化促進する作用を持っています。自宅にそれらがない場合は、濡らして硬く絞った冷水タオルで頭皮と髪表面を優しく押さえるように拭き取り、風通しの良い部屋でしっかり乾燥させることが最も確実な臭気緩和策となります。