圧倒的な芸術的才能を持つ森田忍と、同じく天才肌のはぐみ。2人の間に流れる空気感は作中でも屈指の引力を誇り、多くの読者が「この2人こそ結ばれるべきだ」と熱狂しました。しかし、この天才同士の関係性もまた、ある種の毒を孕んでいました。
森田とはぐみは魂のレベルで深く共鳴し合いながらも、お互いの才能があまりに巨大すぎるがゆえに、近づきすぎれば互いを焼き尽くしてしまう破滅的な危うさを抱えていました。森田の唐突な失踪や突飛な行動、はぐみへの不器用すぎるアプローチは、少女マンガのヒーロー像としてはあまりに常軌を逸しており、読者によっては「身勝手で振り回されるのが耐えられない」と映る側面がありました。
最終的に2人が結ばれなかった結末は、現実の残酷さを物語る名展開であると同時に、「森田とはぐみの恋を応援していた読者」にとっては大きな喪失感と納得のいかなさを残す結果となりました。