「名前のせいで敬遠していたが、一口食べて価値観がひっくり返った」――築地の仲卸出身の料理人やベテラン釣り師たちが口を揃えて語るのが、オジサンの味と評判の高さです。淡泊になりがちな一般的な白身魚とは一線を画し、オジサンの身にはエビやカニなどの甲殻類を常食している魚特有の、甘みと深いアミノ酸のコクが凝縮されています。
特に特筆すべきは、皮と身の間に広がる上質な皮下脂肪とコラーゲン層です。熱を加えることでこの皮下のゼラチン質が溶け出し、身全体にしっとりとした潤いと芳醇な風味を行き渡らせます。身質は火を通してもパサつかず、繊維が細かくホロホロと崩れる絶妙な弾力を保持します。これが、刺身はもちろんのこと、煮付けや塩焼きにした際に別格の存在感を放つ最大の根拠です。