日本全国へこの言葉を広く浸透させた最大の契機は、2006年にリリースされたかりゆし58アンマーの鮮烈なヒットです。この楽曲は単なるフィクションの感謝ソングではなく、ボーカル兼ベースを担当する前川真悟(まえかわ しんご)の実体験に基づくアンマー実話真相が赤裸々に綴られています。
過去の特番インタビューや自著・手記で語られた内容によると、前川真悟は十代の頃、深刻な非行に走り、警察沙汰や暴力事件を繰り返す荒れた日々を送っていました。周囲が見放し孤立を深めるなか、母親だけは決して彼を見捨てず、警察署に頭を下げ続け、時には「この子の代わりに私を捕まえてください」と涙ながらに懇願したといいます。
自暴自棄の果てにバンド結成を決意したものの、母親への恩義を返せないまま苦悩していた前川が、母の誕生日に「金がないから曲をプレゼントしよう」とわずか30分足らずで広告の裏紙に書き殴ったのが同曲の原点でした。楽曲内で歌われる「初恋の人は誰でもなくあなたでした」「あなたの生き写しのような女(ひと)に出会いました」というアンマー歌詞意味には、自らを地獄から救い出してくれた母への底知れぬ感謝と、男としての最大の敬意が込められています。
この感動的な実話と楽曲の世界観は多くのクリエイターの心を打ち、2016年には人気作家・有川ひろ(執筆当時は有川浩)によって『アンマーと僕らの700日戦争』『アンマーと僕』としてアンマー小説有川ひろの手で文芸作品化され、さらに幅広い世代へ感動を広げました。