幼少期に東宝児童劇団へ入団し、早くから子役として頭角を現した小川知子。彼女のキャリアが一気に頂点へと駆け上がったのは、1968年にリリースされたシングル「ゆうべの秘密」の爆発的ヒットによるものだ。
甘く囁くような歌唱法とコケティッシュな魅力は、瞬く間に昭和歌謡の潮流を塗り替えた。オリコンチャートで首位を獲得し、同年のNHK紅白歌合戦に初出場。愛らしいルックスと確かな演技力を兼ね備えた彼女は、名実ともに国民的アイドル女優の地位を確立した。
だが、時代のアイコンとして祭り上げられる重圧は想像を絶していた。寝る暇もない過密日程と、私生活まで筒抜けになる過熱報道。その喧騒を身をもって知る彼女だからこそ、後に選んだ「静かな家庭生活」の価値が際立つ。