花時計の歴史を紐解くと、その発祥は時計製造の本場であるスイス・ジュネーブに遡ります。1955年、時計産業の技術力とスイスの豊かな自然美を象徴するモニュメントとして、レマン湖畔のイギリス公園に世界初の本格的な花時計が誕生しました。ジュネーブの花時計は直径約5メートルと小ぶりながら、卓越した機構と芸術性で世界中の観光客を魅了し続けています。
一方、日本国内で花時計の巨大化競争が始まったのは昭和後期のことです。北海道十勝地方の音更町(おとふけちょう)にある十勝が丘公園の「ハナック」は、1982年の完成当時に直径18メートルを誇り、「東洋一の花時計」として全国に名を轟かせました。
このハナックの記録を大幅に塗り替える形で誕生したのが、松原公園の花時計です。ジュネーブの伝統、音更町の挑戦を経て、日本の職人技と緑地管理技術が結実した究団のモニュメントが、現在の伊豆市に佇む世界最大の花時計なのです。