大きな話題を呼んだNetflixのドキュメンタリー映画『ポップスが最高に輝いた夜』は、当時のマルチトラックテープや未公開映像を提示し、あの夜の緊張感を蘇らせた。過密スケジュールのなか、深夜過ぎに行われたソロパートの録音。シンディ・ローパーがマイクの前に立った瞬間、スタジオ内の気圧が跳ね上がった。
彼女に割り当てられたのは、楽曲終盤の高音パートだった。疲れがピークに達していた時間帯にもかかわらず、彼女はシャウトを交えた強烈なソウルフル・アドリブを繰り出した。ヒューイ・ルイスやキム・カーンズとの掛け合いの中で生まれたあの名フレーズは、事前の計画ではなく、彼女の感性と本能が解き放たれた即興の産物だったのだ。