ファンの期待を一身に集めていたこれは経費で落ちません 続編白紙のニュースが報じられた際、メディアやネット上には「主演の多部未華子 続編降板の真相」を巡って様々な憶測が飛び交いました。一部ではスケジュールの不都合やギャランティの不一致といった無責任な推測もなされましたが、現場の取材や関係者の証言が示す真相は、極めて高潔なプロ意識に根ざしたものでした。
報道各社の取材データを総合すると、事の発端は前作を支えた主要キャストのスケジュール確保にありました。石鹸メーカー「天天コーポレーション」の経理部という舞台は、森若沙名子ひとりの魅力で成り立っていたわけではありません。部長の新発田(吹越満)、先輩の佐々木真夕(伊藤沙莉)、後輩の鏡平太郎(韓英恵)ら、絶妙なアンサンブルキャストが織りなすチームワークこそが作品の生命線でした。
NHK側は続編の制作を急ぐあまり、前作のオリジナルメンバーのうち主要なキャストが1名参加できない状態のまま、別キャストへの変更や設定の微修正で撮影を強行しようとしたとされています。これに対し、主演の多部未華子さんは強い懸念を示しました。「天天コーポレーション経理部のあのメンバーが全員揃ってこその『これは経費で落ちません!』であり、誰かひとりでも欠ける形であれば、視聴者が愛してくれた世界観を壊してしまう」という意向を所属事務所を通じて局側に伝えたのです。
この多部さんの姿勢は、作品の質を守るための正当なクリエイティブの主張でした。しかし、局側にとって「主要メンバーが欠けても代役を立てれば続編は成立する」と安易に見積もっていたことは痛恨の計算違いでした。結果として話し合いは平行線をたどり、NHKはこれは経費で落ちません 続編中止の理由を正式に公表することなく、2020年秋に予定されていた制作を白紙に戻す決断を下しました。