柳葉敏郎が生まれ故郷である秋田県(旧仙北郡西仙北町、現在の大仙市)へ本拠地を移したのは、2006年のことです。芸能界の第一線で多忙を極めていたトップ俳優が、東京から新幹線で4時間近くかかる秋田へ生活拠点を移す決断は、当時の芸能界に大きな衝撃を与えました。
この大胆な移住の根底にあったのは、1994年に結婚した妻・裕子さんとの固い約束でした。当時の特別番組インタビューや手記で明かされている通り、柳葉は結婚当初から「子どもが生まれたら、自然豊かで人情味あふれる故郷の秋田で育てたい」という強い教育方針を抱いていました。
長女が小学校へ入学するタイミングを見計らい、柳葉は家族とともに秋田へ本拠を移転。仕事があるときだけ上京し、終われば真っ先に秋田へ帰るという「仕事は東京、生活は秋田」のライフスタイルを確立したのです。秋田に構えた自宅は、豪奢さを誇示する要塞のような豪邸ではなく、雪国の気候に調和した広大な敷地を持つ木造住宅。周囲の自然や集落に溶け込むその佇まいには、柳葉の地に足のついた価値観がそのまま反映されています。