彼女の表現者としての厚みは、過酷な現場で揉まれることでさらに深まった。とりわけ熱狂的な支持を集めたのがVシネマの現場だ。限られた時間とリソースの中で、役者は剥き出しの人間性をぶつけ合う。安全装置のない現場で培った瞬発力と度胸は、彼女の演技に独特のリアリズムを与えた。
その実力は地上波のテレビドラマの世界でも遺憾なく発揮される。とりわけテレビ朝日が誇る緊迫のサスペンスや刑事ドラマ枠において、彼女が見せる影のある脇役の存在感は抜群だった。台詞のないワンカットで観客の網膜に焼き付くような哀愁を漂わせ、物語のサスペンスを一段深いレベルへと引き上げる。主役を支えつつも作品全体の質感を高めるバイプレイヤーとして、現場の信頼を勝ち取っていった。