当時の特番インタビューや映画関係者の証言によると、『クローズEXPLODE』の現場は、キャスト同士の剥き出しの闘争心が渦巻く過酷な環境でした。メガホンをとった豊田利晃監督は、『青い春』や『ナイン・ソウルズ』などで知られる日本映画界屈指の硬派な鬼才。役者に対して過度な説明を与えず、現場の空気感と役者の本能を引き出す演出スタイルを徹底していました。
柳楽自身も後年のインタビューにおいて、20代前半のこの時期を「役者としてもう一度自分の殻を破らなければならない重要な転換点だった」と回顧しています。14歳でカンヌ国際映画祭の最優秀男優賞を史上最年少で受賞したという栄光のプレッシャーを乗り越え、肉体改造とボクシングトレーニングを重ねて撮影に臨みました。現場では共演者と過度に馴れ合うことなく、役柄の持つ孤独と支配力を保ち続けるために精神を研ぎ澄ませていたと伝えられています。乱闘シーンで相手を睨みつけるカットで見せた獰猛な眼差しは、演技の枠を超えた真に迫る気迫そのものでした。