命の危険を伴う極限任務に挑む宇宙飛行士ですが、その金銭的待遇については「億単位の年収を得ているのではないか」という誤解が少なくありません。しかし、JAXA宇宙飛行士の給与体系は、基本的にJAXA職員の給与規程(特殊法人・国家公務員準拠)に基づいています。
報道各社の取材やJAXAの公表資料によると、30歳前後の初任給は手当を含めて年収約800万〜900万円、40代〜50代のベテランクラスで1,000万〜1,200万円前後と推計されています。宇宙飛行任務中や米ヒューストンでの長期訓練時には特殊勤務手当や在外勤務手当が加算されますが、民間大手外資系企業やプロアスリートのような莫大な報酬体系ではありません。宇宙飛行士たちは巨額の報酬ではなく、純粋な探求心と使命感によって任務に臨んでいるのが実態です。
一方で、選考試験の門戸の狭さは世界最高峰です。2021年度に募集が開始された選抜試験では、従来の「自然科学系の大学卒業以上」「実務経験3年以上」という厳しい応募要件が大幅に緩和され、学歴不問・文理不問となりました。その結果、過去最多となる4,127名が応募し、最終的に選ばれたのは米田氏と諏訪氏のわずか2名。倍率は実に約2,063倍という天文学的な数値を記録しました。