SNSやネット掲示板を調査すると、「伊勢神宮にカップルでお参りすると別れる」「参拝後に不運が続いて罰が当たった」といった投稿が散見されます。こうした都市伝説の発祥を検証すると、江戸時代のお伊勢参り文化に突き当たります。
江戸期、伊勢周辺には日本有数の花街(古市遊郭など)が栄えており、男性参拝客が旅の途中で遊興に耽ることを防ぐため、「神様(女性神である天照大御神)が嫉妬してカップルを別れさせる」という方便が広められたのが真相です。神宮の神道観において、男女の健全な参拝を妬んで罰を与えるような教義は一切ありません。
現場で真に問題視されているのは、神域に対するマナー違反や参拝順序の軽視です。伊勢神宮には古くから「外宮先拝(げくうせんぱい)」の習わしがあり、外宮(豊受大神宮)から参拝した後に内宮(皇大神宮)へ向かうのが正式な順序とされています。
以下は、現場取材や参拝者の声から浮き彫りになった代表的な注意点です。
- 御正宮での個人的な願掛け:正宮は公の平和と感謝を祈る場所であり、私的な祈願は第一別宮(外宮なら「多賀宮」、内宮なら「荒祭宮」)で行うのが古来の作法。
- 中央(正中)の歩行:参道の中央は神様の通り道とされます。外宮は左側通行、内宮は右側通行(手水舎の位置に準拠)を遵守する。
- 撮影禁止区域でのカメラ使用:御正宮の石段下までは撮影可能ですが、鳥居内や石段上、板垣内部の撮影は厳禁。
- 露出度の高い服装や歩きにくい履物:神域にふさわしい清潔感ある服装が基本であり、ピンヒールやサンダルでの長距離砂利道歩行は転倒事故の元。