ネット上の情報掲示板では「精神科 薬 太る 戻らない」「一度増えた体重は一生そのまま」という極端な言説が散見されますが、これには医学的な誤解が含まれています。
結論から言えば、薬を減量・中止、あるいは代謝に影響しにくい薬へ変更した場合、亢進していた食欲は正常化し、体重を落とすことは十分に可能です。では、なぜ「戻らない」という噂が定着してしまったのでしょうか。そこには2つの盲点が存在します。
ひとつは、「肥満によって生じたインスリン抵抗性と脂肪細胞の定着」です。薬の影響で短期間に増えた皮下脂肪や内臓脂肪は、薬効が切れた後も自然には燃焼しません。薬のせいで広がった胃袋のサイズや、夜食を摂る生活リズムが習慣化してしまい、服薬終了後も元の体重に戻るまでに時間を要するケースがあります。
もうひとつは、「うつ状態による活動量低下の継続」です。薬を中止しても意欲や体力が完全に回復していない場合、消費カロリーが少ない状態が続くため体重が減少しにくくなります。「薬の毒素が体内に残っているから戻らない」のではなく、生活リズムと基礎代謝の回復にタイムラグがあることが真実です。