本作の魅力を語る上で、緻密に計算された音楽理論的アプローチも見逃せません。楽曲全体のキーは変ホ長調(E♭ Major)を基調としており、どこかノスタルジックで温かみのある響きを持っています。
特筆すべきは、J-POPの王道であるカノン進行や王道進行を巧みに崩した浮遊感のあるコード進行です。解決しきらないテンションコードをピアノの左手で鳴らし続けることで、「地上に足がつかない宇宙の無重力感」を見事に表現しています。
また、ボーカルの音域は最低音mid2B♭(シ♭)から最高音hiD(レ)まで広がっており、サビに向けて感情が溢れ出すような高音域の跳躍が設計されています。この「叫びたくても叫べない切なさ」を孕んだレンジの広さが、多くの歌い手を魅了し、YouTubeやTikTokでの「歌ってみた」カバーブームを巻き起こしました。