「かんころ餅は加熱せずにそのまま食べられるのか」という疑問を持つ消費者は非常に多く見受けられます。結論から言えば、製造直後や真空パックから開けたてで十分に指で押せる柔らかさがある状態なら、そのまま食べることは全く問題ありません。もともとサツマイモを蒸して干した「かんころ」を再度蒸し上げ、蒸したもち米と一緒に搗(つ)いて製造されているため、すべての原料に火が通っているからです。火を通さない状態では、サツマイモ本来の素朴な繊維感と素直な甘みがダイレクトに舌へ伝わります。
しかし、製造から日数が経過したり、冬場の常温下で保管されたりすると、もち米に含まれるデンプンが「老化(β化)」を起こし、まるで木材のようにカチカチに固くなります。これは腐敗ではなく物理的な水分と分子構造の変化であるため、適切に熱を加えれば「糊化(α化)」が再び起き、何事もなかったかのように柔らかさが蘇ります。
固くなったかんころ餅を復活させる最も有効なアプローチは、蒸し器で5〜7分ほど蒸し直すか、少量の水を振ってラップをし、電子レンジで20秒ほど温めてからトースターで軽く表面を炙る二段階加熱です。水分を補いながら熱を入れることで、外側の硬化層がしっとりとほぐれ、内側のモチモチ感が完全に復元されます。
また、固い一本物のかんころ餅を切り分ける作業には、怪我を防ぐための明確なコツが存在します。カチカチの状態で力任せに包丁を押し込むと、刃が滑って大変危険です。少し固いと感じる場合は、包丁の両面に薄くサラダ油を塗るか、包丁の刃先をお湯で軽く温めてから刃全体を前後にスライドさせるように引いて切ると驚くほどスムーズに刃が入ります。厚みは1cmから1.5cm幅がベストです。これより薄いと加熱時に溶け出して形を失い、厚すぎると中心まで熱が通る前に外側が焦げ付いてしまうためです。