SNSやビジネス系コミュニティ、大手キャリア相談プラットフォームなどを調査すると、20代から40代の現役世代において「座右の銘は諸行無常」と公言するユーザーが急増しています。かつては定年退職後のシニア層が好む言葉とされていましたが、なぜ今、第一線で戦う人々に支持されているのでしょうか。
知恵袋やX(旧Twitter)に寄せられた生の声や、独自取材によるビジネスパーソンの証言を抽出すると、共通するメンタリティが見えてきます。
「大手IT企業で役員を務めていたが、業界のAIシフトで事業が突如解体された。そのとき救われたのが『諸行無常』だった。変化に抗って怒るのではなく、『形あるものはすべて変わるのが自然』と受け入れた瞬間に肩の荷が下り、独立起業に踏み切れた」(41歳・ITスタートアップ創業者)
「SNSで炎上したり人間関係で酷い裏切りに遭ったとき、自暴自棄になりかけた。でも『この最悪な苦しみも無常であり、絶対に終わる』と思えたから耐えられた。諸行無常は諦めの言葉じゃなくて、メンタルの命綱です」(28歳・Webディレクター)
テレビのドキュメンタリー番組やアスリートの手記でも同様の言及が目立ちます。五輪メダリストが「ピーク時の自分の筋力や感覚に固執せず、加齢による変化を『無常の摂理』として受け入れてフォームを改造した」と語るように、トップパフォーマーほど「不変への執着」を手放すためのアンカーとして諸行無常を活用しています。