スミスマシンデッドリフトで腰を痛めてしまう最大の原因は、「バーベルの垂直軌道に自分の骨格運動を無理やり合わせてしまうこと」にあります。フリーウェイトのバーベルデッドリフトでは、バーが身体の重心線に沿ってわずかに前後しながら自然な曲線を描いて移動します。しかし、スミスマシンはレールによって上下の直線運動しか許容しません。
この固定されたレールに対して足の位置が近すぎたり遠すぎたりすると、ボトムポジションで骨盤の後傾(腰が丸まる状態)や過度な前傾が強制的に発生します。その結果、本来であれば大臀筋やハムストリングス、広背筋が受け止めるべき負荷がすべて腰椎(第4・第5腰椎周辺)に集中し、鋭い痛みや椎間板ヘルニアのリスクを生み出すわけです。
また、バーベルとスミスマシンでは重心の逃げ場が異なります。フリーウェイトならバランスが崩れた際にバーを落として回避できますが、スミスマシンは逃げ場がないため、踏ん張った瞬間に腰へダイレクトな衝撃が加わります。マシン特有の「軌道の合わせ方」を身につけることが、安全に重量を扱うための絶対条件です。