トリポリを語る上で欠かせない軍事コンセプトが、米海兵隊が主導するライトニングキャリア構想です。これは、従来の垂直離着陸機ハリアーIIの後継として導入された第5世代ステルス戦闘機F-35Bを、強襲揚陸艦に集中的に搭載・運用する画期的な運用ドクトリンを指します。
公試および実証実験において、トリポリは甲板上および格納庫に合計16〜20機ものF-35Bを展開させ、連日激しい発着艦試験を完遂しました。通常の強襲揚陸艦におけるF-35Bの標準搭載数は6機前後、ヘリコプターやオスプレイ(MV-22)との混成運用が基本です。しかし、トリポリが披露した強襲揚陸艦トリポリ F-35B運用の密度は、それ自体が一国の防空網を突破可能な「ステルス攻撃部隊」そのものでした。
米海兵隊関係者のレポートによれば、F-35Bが持つ高度なセンサーフュージョン能力とステルス性は、艦隊全体のレーダー網を劇的に前進させます。トリポリから発進したF-35B編隊は、敵の長距離対艦ミサイル射程外からステルス状態で侵入し、味方艦隊へリアルタイムの目標情報を提供する「空飛ぶセンサーノード」として機能します。この航空戦力密度の高さこそが、世界中のアナリストから「実質的な中型空母」と評される最大の論拠です。