日本の鉄道運送業を取り巻く環境は、この十数年で劇的な変化を遂げた。新幹線網の広域延伸や高速バスの台頭、さらには車両の老朽化や深夜における線路保守作業時間の確保といった構造的課題が重なり、定期運行される夜行列車はほぼ姿を消すこととなった。
特にJRグループ各社における運行方針の転換は、格安移動を愛する旅人に大きな影響を与えている。きっぷの自動改札対応や利用ルールの見直しが進む中、かつてのように「1枚のフリーきっぷだけで夜を明かし、翌朝目的地に到着する」というスタイルは、構造的に困難な時代を迎えたのだ。