心臓3つ脳9つの怪異!タコが宇宙生物と呼ばれる驚愕の正体と最新研究

心臓3つ脳9つの怪異!タコが宇宙生物と呼ばれる驚愕の正体と最新研究

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タコの体を解剖学的に見たとき、人間をはじめとする脊椎動物の常識はことごとく崩れ去ります。その最たる例が、タコ心臓3つの理由です。タコには全身に血液を巡らせる「主心臓(体心臓)」が1つあるほか、2つのエラの根元にそれぞれ「エラ心臓(鰓心臓)」と呼ばれる補助ポンプを備えています。軟体動物の循環器系は毛細血管の抵抗が大きく、血圧が低下しやすい構造です。そこで2つのエラ心臓が低酸素の血液を急速にエラへ送り込み、酸素をチャージした血液を主心臓が一気に全身へ送り出すという、極めて効率的な二重ブースト機構を獲得しました。

さらに異様なのが、流れている血液の色です。タコの血液青い理由は、血液中の酸素運搬物質が人間の「ヘモグロビン(鉄結合タンパク質)」ではなく、「ヘモシアニン(銅結合タンパク質)」である点に起因します。銅が酸素と結びつくと青く発色するため、タコの体内には澄んだセルリアンブルーの血液が流れています。ヘモシアニンは冷たい海や酸素濃度の薄い環境下でも効率よく酸素を結合できる利点がありますが、鉄ベースの血液に比べて酸素運搬効率そのものは劣るため、心臓を3つ駆動させて補う必然性があったのです。

神経ネットワークに目を向けると、さらに驚くべき真実が明らかになります。タコ脳9つの仕組みの核心は、中央集権型ではなく「超分散型」の神経構造にあります。タコは約5億個もの神経細胞(ニューロン)を持っていますが、頭部(目の間)にある中央の脳には約3分の1しか存在しません。残りの約3分の2は、8本の足それぞれに張り巡らされた巨大な神経節に格納されています。

つまり、それぞれの足が独自の意思決定権を持ち、触覚や味覚を独自に判断して「獲物を探る」「障害物を避ける」といった高度な動作を単独で処理しているのです。中央の脳がいちいち命令を下さなくても足が勝手に考えて動くこのシステムは、現代のAI工学や分散型ロボティクス研究における最高峰の生体モデルとして注目を集めています。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。