ここ数年で消化器内科学の研究は飛躍的に進歩した。医学論文データベースPubMedに蓄積された最新の研究報告を精査すると、二日酔いの主原因物質である有害なアセトアルデヒドの代謝と、牛乳の摂取タイミングには極めてシビアな関係があることが浮き彫りになっている。
決定的な過ちは、激しい吐き気や胃の強いむかつきを覚えている「翌朝のピーク時」に冷たい牛乳を流し込む行為だ。炎症を起こして運動機能が低下した胃に、脂肪分とタンパク質の多い冷たい乳製品を投入すると、胃内容物の排出速度が著しく遅延する。結果としてアセトアルデヒドによって過敏になった胃粘膜を刺激し、嘔吐反射を誘発したり消化不良による胃もたれを深刻化させたりするのだ。「良かれと思って飲んだ一杯」が、自ら胃腸の修復を妨げる引き金になる皮肉がここにある。