世間が「18歳年下の元おはガール」というセンセーショナルな記号で彼女を捉えるなか、カルチャー界隈の専門家たちは全く異なる視点で奥森皐月を評価していました。奥森のキャリアは単なる若手アイドルタレントの範疇を大きく逸脱しています。
2004年5月9日生まれの奥森は、乳幼児期からモデルとして活動を開始し、小学4年生で芸能事務所に所属した芸歴の長いプロフェッショナルです。彼女を語る上で欠かせないのが、異常なまでの「お笑い・深夜ラジオへの傾倒」です。月に100本を超えるお笑いライブや配信をチェックし、主要な深夜ラジオ番組を網羅してノートに独自の構成分析を書き留めるという、業界内でも屈指のカルチャーフリークとして知られていました。
各WEBメディアに寄稿していた彼女のコラムや劇評は、現役の放送作家やベテラン芸人からも「玄人顔負けの分析眼」と称賛されるクオリティを誇っていました。つまり奥森は、年長者に都合よくコントロールされるような無垢な客体ではなく、自らの知的探求心と審美眼によって岩井というクリエイターを選び取った主体的な表現者だったのです。この精神的バックボーンの強さこそが、ふたりの関係性を対等なものにした根幹要因でした。