首都高速道路3号渋谷線と中央環状線(C2)を接続する大橋ジャンクションは、狭小な市街地に建設するために4層のらせん状ループ構造を採用した世界屈指の高難度土木構造物です。計画当初、周辺住民の間では排気ガスによる大気汚染や走行騒音、日照被害に対する強い懸念が噴出し、激しい議論が巻き起こりました。
この難題を打開する決定打となったのが、道路と再開発ビル、都市公園を一体的に整備する「立体道路制度」の積極的活用でした。巨大なトンネル構造でループ線を完全に覆うことで騒音と排ガスを遮断し、その上に生まれた広大な屋上空間(約7,000平方メートル)を目黒区の都市公園として市民へ還元する前代未聞の再生計画が動き出します。2013年3月の全面オープン以降、グッドデザイン賞や都市公園コンクールでの国土交通大臣賞をはじめとする国内外の権威ある賞を総なめにしました。
単なる「屋上緑化」の域を超え、地域分断の危機を乗り越えて行政・首都高速道路・地域住民が対話を重ねた末に勝ち取った歴史の結晶こそが、この目黒天空庭園なのです。