現場の指導者や演奏者が最も頭を悩ませるのが、中間部の変拍子(主に5/8拍子)の処理と、随所に現れる木管楽器の技巧的なパッセージです。
「やまうずらの歌」における5/8拍子は、一般的に「1・2 / 1・2・3(2+3)」または「1・2・3 / 1・2(3+2)」の複合拍子として捉えられます。演奏現場でのアンサンブル崩壊を防ぐためには、メトロノームの8分音符単位での細分化練習はもちろんのこと、「短い拍(2)」と「長い拍(3)」の重心の移動を身体感覚としてインストールすることが不可欠です。指揮者の打点に頼り切るのではなく、奏者全員が共通のダンサブルなパルスを共有しなければ、アルメニア特有の軽妙な推進力は生まれません。
また、中間部に現れるクラリネットソロの難所は、単なるフィンガリングの速さだけでなく、中東特有のエキゾチックなコブシや息の長い歌い回しが求められます。音域の跳躍における音色の均質性と、民謡特有の切なさを表現する柔軟なアンブシュアのコントロールが、演奏全体のクオリティを決定づける重要なポイントとなります。