しかし、この華々しい長寿化の影には、深刻な社会構造の変化がへばりついている。世界最低水準の出生率が続く中、少子高齢化の波は日本以上の加速度で韓国社会を呑み込みつつある。高齢者の絶対数が増加する一方で、それを支える現役世代の比率は急激に収縮しているのが現状だ。
街を歩けば、元気な高齢者が活発に活動する姿が見られる一方で、単身の高齢世帯における経済的困窮や孤立といった「長寿の副作用」もまた鮮明になっている。寿命が延びたこと自体は人類の勝利と言えるが、社会の受け皿がそのスピードに追いついていないという歪みが、現場の課題として噴出している。