物価高や人手不足、Eコマースの台頭など、現代のリテール業界を取り巻く環境は決して平坦ではない。全国で多くの商業施設が統廃合を迫られるなかで、アピタ新潟西店が見せる前進の姿勢は業界内でも注目に値する。
ネットで注文すれば翌日に商品が届く時代に、わざわざ実店舗へ出向く意味とは何か。その問いに対する現場の答えが、五感に訴えかける売り場づくりだ。鮮魚コーナーから立ち上る威勢のいい掛け声、ベーカリーから漂う焼きたてパンの芳醇な香り、手に取って鮮度を確かめられる安心感。それらはデジタル画面では決して代替できない。
加えて、地元の農業生産者や食品加工業者と手を組み、新潟ならではの食文化を再発見させる仕掛けを絶え間なく打ち出している。地域の作り手と買い手を結ぶハブとして機能すること。それこそが、メガストアが地方都市で生き残り、愛され続けるための唯一無二の条件なのだ。