放送中、愛子の苛烈な態度はSNS上で「過干渉な毒親」「息子の恋路を邪魔するエゴイスト」と激しいバッシングを浴びました。しかし、中学聖日記の最終回ネタバレとして明かされた真実は、そのステレオタイプな毒親像を鮮やかに覆すものでした。最終話の終盤、愛子は保管していたはずの誓約書を、自らの意志で聖の元へと郵送・返却します。この行動の背景にあったものこそが、本作屈指のエモーショナルな核心である黒岩愛子の誓約書の真意です。
愛子が頑なに聖を拒み続けた最大の理由は、当時の晶が分別を欠く「未成年」だった点に尽きます。もし聖との関係を容認すれば、聖は淫行や未成年者略取といった社会通念上の罪に問われ、晶自身も未熟さゆえの汚名を背負って生きていかねばなりません。シングルマザーとして手塩にかけて育ててきた息子が、社会的な制裁によって人生を狂わされることを、母として断じて見過ごせなかったのです。
では、中学聖日記における誓約書返却理由は何だったのか。それは、晶が大学生活を終えようとする中で黒岩晶が20歳を迎え成人したことに直結しています。民法上の成年(当時の基準)に達したということは、もはや親の監督権・保護義務の傘から完全に離脱したことを意味します。「これからは一人の独立した大人として、自分の恋と人生に自分自身で全責任を負いなさい」。返却された誓約書は、愛子が母親としての役目を全うし、息子を手放したという「親離れ・子離れの修了証書」だったのです。