WEB上で散見される「初心者向け簡単コード」のまとめ記事には、演奏を急ぐあまり本質を見失ってしまう落とし穴が存在します。
代表的な誤解が、「分数コード(オンコード)はすべてルート音(アルファベットの左側)だけで弾いてよい」という俗説です。例えば「C/D」や「D/F#」が出てきた際、単なる「C」や「D」に置き換えて演奏してしまうと、ベース音が階段状に動いていく心地よい緊張感が失われ、楽曲の持つ切ない哀愁が単調なポップスへと変質してしまいます。
また、失恋ソングの弾き語りにおいて陥りがちなのが、「歌の感情表現に引っ張られてテンポが著しく乱れる」という点です。哀しい曲だからといって無自覚にテンポを落としすぎると、聴き手に重苦しさばかりが伝わってしまいます。メトロノームを用いて一定のテンポ(BPM約72〜74)を身体に叩き込んだ上で、ボーカルのアクセントとコードの打点を意図的に微調整する技術が求められます。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
本楽曲への挑戦について、プレイヤーの現状に応じた明確な判断基準を提示します。
【今すぐ挑戦することをおすすめできる人】
- 開放弦を使った主要なローコード(C, G, D, Emなど)のフォーム移行に迷いがない人
- アコースティックギターをかき鳴らすだけでなく、静かなアルペジオと激しいストロークの弾き分けを身につけたい人
- 淡々とした独白調の歌唱と、感情を爆発させるサビのコントラストを表現したい人
【基礎練習を優先し、慎重になるべき人】
- ギターを手にしたばかりで、弦を押さえる指先が痛くコードチェンジに2〜3秒のタイムラグが生じる完全初心者(まずはコード2〜3個で成立するシンプルな楽曲から始めるのが無難です)
- メトロノームに合わせた一定のリズムキープがまだ難しく、歌い出すとバッキングの手が完全に止まってしまう人