奇跡的に生還を果たしたGRS隊員たちは、事件後どのような道を歩んだのでしょうか。英雄として讃えられながらも、彼らの多くは激しいPTSD(心的外傷後ストレス障害)や肉体的な後遺症、そして民間契約要員という不安定な身分による冷遇と戦うことになりました。
主人公ジャック・シルバ(偽名であり、本名はマーク・タイグ)は、事件後に軍事請負の世界から完全に身を引き、家族と共に平穏な生活を送る道を選びました。彼が公の場に顔を出すことは極めて稀であり、一人の父親として静かな余生を送っています。
一方、左腕に壊滅的な重傷を負いながら奇跡的に切断を免れたマーク・ガイスト(Oz)は、退役軍人や民間契約兵士を支援する非営利団体「シャドウ・ウォリアーズ・プロジェクト(Shadow Warriors Project)」を設立。米軍の正規兵とは異なり、民間請負業者(コントラクター)は戦闘で負傷しても正規軍のような生涯にわたる軍人恩給や高度な医療補償が手厚く受けられないという制度の盲点があります。ガイストはこの格差を埋めるため、全米を飛び回り精力的な慈善活動を継続しています。
同じく生存者であるジョン・ティーゲン(Tig)やクリス・パロット(Tanto)も、講演活動や安全保障関連のインストラクターとして活動し、事件の風化を防ぐための情報発信を行っています。彼らがメディアの取材で一貫して語るのは、政府への怨嗟ではなく「命を落としたタイロンとグレンの勇気を忘れてほしくない」という純粋な戦友への敬意です。現場で命を賭した兵士たちが背負わされた重荷は、銃撃戦が終わった後も数十年にわたって続いている現実を浮き彫りにしています。