長年『24時間テレビ』の代名詞だった日本武道館(東京都千代田区)から両国国技館へと本拠地が移った直接の発端は、2019年9月から実施された日本武道館の大規模改修工事にあります。2020年東京五輪・パラリンピックの柔道および空手会場としての使用に向け、屋根の耐震補強や増築工事が行われたため、日本テレビは同年の放送において代替会場の選定を余儀なくされました。
当初、業界内では「五輪終了後は再び武道館へ回帰する」という見方が大勢を占めていました。しかし、五輪延期とその後のスケジュール再編を経て、制作現場では両国国技館の持つテレビスタジオとしての卓越した機能美が再評価されることになります。番組関係者の証言によると、「武道館特有の八角形構造に比べ、国技館は正方形に近いすり鉢状設計であり、センター中央ステージから四方へ向けたカメラワークや照明の自由度が格段に高かった」と明かされています。
加えて、相撲興行を主目的として設計されている国技館は、地下スペースや支度部屋の使い勝手が優れており、多数のゲストやチャリティー関係者が行き交う24時間の生放送における控室動線の確保が極めてスムーズでした。単なるスケジュールの都合を超え、番組制作のロジスティクスと空間演出の最適解として両国国技館の継続起用が定着したのが実情です。