タッチその後の世界を巡っては、インターネット上でいくつか極端な誤解が定着しています。その最たるものが「達也と南は結局別れた」という言説です。この誤認が生まれた背景には、前述のアニメスペシャル『あれから、君は…』における重苦しい演出があります。
同作では、新体操選手としてプレッシャーに苦しむ南と、生きる道を見失って無気力になっていた達也の衝突がクローズアップされたため、初見の視聴者に「破局した」という強い印象を与えてしまいました。しかし、続く完結編『Cross Road』まで観通せば、達也がもう一度白球を握る決意を固め、二人が互いの自立を認め合いながら強固に結ばれていることが分かります。
また、「あだち充作品の主人公たちは大人になると不幸になる」という都市伝説も事実無根です。あだち氏は登場人物たちの人生を尊重し、不要なスキャンダルや過度な不幸を描かない作家として知られています。明青学園の現在を描いた『MIX』においても、かつての英雄たちへの敬意は極めて清冽に保たれています。