メジャーリーガーが行うウエイトトレーニングは、ボディービルダーのような「筋肉を大きく見せるための単関節運動」ではありません。最新の動作解析とバイオメカニクスに基づいた、「三次元の競技動作へ直結する複合多関節トレーニング」が主流です。
米国のドライブライン・ベースボール(Driveline Baseball)や各球団のハイパフォーマンス部門で採用されている代表的なメニューには、以下のような特徴があります。
- トラップバー・デッドリフト / スクワット:腰への負担を軽減しつつ、地面反力(グラウンドフォース)を最大限に引き出す下肢の最大筋力強化。
- メディシンボール・ローテーションスロー:下半身で生み出したエネルギーを体幹を通じて上半身・腕へと連動させる回旋爆発力の向上。
- ダンベル・ベンチプレス / ローイング種目:左右の筋力アンバランスを整え、投球・送球動作で酷使される肩甲骨周辺のインナーマッスルと拮抗筋を保護。
- キネティックチェーン(運動連鎖)ドリル:重いウエイトを挙げた直後にプライオメトリクス運動を行い、神経系の促通を図る。
ただ重いバーベルを持ち上げるのではなく、「どの角度で、何ミリ秒の間に最大パワーを発揮できるか(RFD:力発揮率)」を計測器でモニタリングしながら負荷を調整する手法が定着しています。