町中華の厨房にある高火力バーナーは2万キロカロリーを超える出力を誇る。対して家庭用コンロはその数分の一に過ぎない。家庭で同じように生肉から野菜と一緒に炒めれば、フライパンの温度が一気に急降下し、野菜から水分が滲み出てベチャベチャの煮物と化してしまう。
この火力格差を埋める唯一の手段が、プロの中華料理店で行われる「油通し(ヤウトン)」の家庭版である「多めの油での揚げ焼き」だ。フライパンに底から5ミリほどの油を熱し、中火で片栗粉をまとったレバーを両面1分ずつサッと焼き固める。表面がカリッとして中が8割方レアの状態で一度皿に取り出す。
残った油でモヤシを強火で30秒炒め、最後にニラとレバーを戻し入れ、合わせタレを一気に鍋肌から注ぎ込む。強火のまま中華鍋をあおるように全体を絡め、炒め時間はタレ投入からわずか20秒。これで野菜の細胞壁を破壊せず、シャキシャキの歯ごたえとジューシーなレバーが共存する完璧な一皿が完成する。