内政のみならず、外交面において戦後史に深く刻まれた決断が、2002年9月に行われた日朝首脳会談です。現職の首相として初めて北朝鮮の平壌を訪問し、金正日総書記との直接会談を実現させました。
当時、日本国内でタブー視されがちだった日本人拉致問題について、北朝鮮側に公式な謝罪と拉致の事実を認めさせ、同年10月には蓮池薫さん夫妻ら5名の拉致被害者の帰国を勝ち取りました。外交関係者の証言によると、事前交渉を担当した田中均アジア大洋州局長らによる極秘ルートの開拓とともに、最終局面で小泉自身が一切の妥協を許さない毅然とした態度を貫いたことが事態を動かしたとされています。
2004年5月の第2回訪朝を含め、拉致問題の全面解決には至らなかったものの、国家の威信を背負って独裁体制のトップと対峙し、具体的な成果を持ち帰った行動力は、当時の国民に強烈なインパクトを与えました。