『はじめてのチュウ』が時代を超えて支持される最大の要因は、そのキャッチーなメロディの裏にある普遍的なリリックと洗練されたコード進行にあります。
歌詞が描いているのは、思春期の少年が経験するファーストキスの戸惑いと純粋な高揚感です。「眠れない夜」「君の顔が浮かぶ」「涙が出そうになる」といった心情描写は、子どもの背伸びした恋心でありながら、大人が聴くと誰もが通った甘酸っぱい青春の記憶を鮮烈に呼び起こします。
音楽理論の観点からも非常に秀逸です。アコースティックギターやウクレレの弾き語りでも頻繁に演奏されるこの曲は、親しみやすい王道のポップスコードをベースにしながら、要所に美しいメジャーセブンス(M7)の響きが配置されています。素朴でキャッチーでありながら、どこか哀愁を帯びた浮遊感をもたらすハーモニー設計こそが、聴く者を飽きさせない秘密です。