近年、浅間牧場を訪れる層に明らかな変化が見られる。Netflixをはじめとする動画配信サービスで国内外のクラシック映画や自然ドキュメンタリーに触れた若い世代が、「ロケ地の聖地巡礼」や「デジタルデトックス」を求めてこの地を訪れているのだ。スマートフォンをポケットにしまい、ただ流れる雲を眺める。そんな何もしない贅沢を味わう場として再評価されている。
過度な商業開発に頼らず、ありのままの自然景観と一次産業を結びつける試みは、北軽井沢エリア全体の観光・レジャー産業にとっても大きな転換点となっている。派手な人工アトラクションを増設するのではなく、土地の記憶と本物の食体験を提供する。持続可能な観光のモデルケースが、この牧歌的な風景の中に息づいている。