ちびまる子ちゃんの歴代主題歌を語る上で欠かせないのが、さくらももこによる作詞の独自性です。
「タワシがひとつあったとさ」「ピエロが階段すべり落ち」「お腹がへったよ」といった一見すると無意味で脈絡のない言葉の連続は、高畠華宵や大正・昭和初期の童謡、あるいはナンセンス詩の系譜を引いています。子どもの目線で見つめる日常の断片を、突拍子もないフレーズで切り取る言葉選びは天才的と評されています。
エンディング曲として名高い斉藤和義の『いつもの風景』や忌野清志郎とのコラボレーションでも見られたように、卓越したロック・ポップス作家たちへ歌詞を提供し、大人の哀愁と子どもの無邪気さを同居させる手腕は唯一無二でした。この徹底した作家性が、単なるタイアップアニメソングにとどまらない、何十年も歌い継がれるエバーグリーンな楽曲群を生み出した根源と言えます。