近年の梅雨期や台風シーズンにおいて、最も恐れられてきたのが「線状降水帯」による壊滅的な大雨だ。発生場所の特定が極めて難しいとされてきたこの現象に対し、気象庁は観測体制の抜本的な強化を推し進めてきた。海水温の高精度測定や、陸上・海上レーダーの多角化、さらには民間船舶から提供される水蒸気データの自動取り込みなどが功を奏している。
現在では、発生の可能性が高い地域に対して「半日前」から「数時間前」の段階で段階的なアラートが発令される。これにより、深夜の急激な河川増水に巻き込まれるリスクを未然に防ぐ行動が可能となった。単なる雨量予測を超え、「どの河川が何時に危険水位に達するか」という時間軸に沿った具体的なリスク提示が、自治体の早めの避難指示を力強く後押ししている。