ネット上では「美容師のセットが下手なのはアシスタントに任せているから」「格安店だからスタイリングが雑なのだ」といった言説が散見されますが、これは現場の実態を反映していません。
実際には、指名料の高いトップスタイリストであっても仕上げの好みが合わないケースは頻発しています。SNSでの集客に特化している美容師ほど、InstagramやTikTokのサムネイルとして「映える」立体感や陰影を重視したスタイリングを好むため、街歩きや日常着にはマッチしない極端なセットを施してしまう傾向があります。
また、「スタイリングが下手な美容室はカットも失敗している」と思い込むのも早計です。ブローやアイロンによって髪の毛が引っ張られ、過剰に丸められているだけで、一度自宅でシャンプーして乾かしてみると非常に精緻なカットラインが現れるケースは珍しくありません。仕上げの違和感だけで即座にサロンを変えてしまうのは、優秀なカット技術を持つ担当者を手放してしまうリスクを含んでいます。