ほくろが盛り上がってきた原因は?皮膚がんの見分け方と受診目安を解説

ほくろが盛り上がってきた原因は?皮膚がんの見分け方と受診目安を解説

ほくろが盛り上がってきた原因は?皮膚がんの見分け方と受診目安を解説に関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。

皮膚科の診察室には、連日のように「ほくろに違和感がある」と深刻な面持ちで訪れる受診者がやってきます。SNSや医療Q&Aサイト(知恵袋等)に投稿される生の声を見ても、受診の直接的なきっかけは「膨らんできたことそのもの」に加え、ほくろ膨らみ痒みやほくろ出血痛みといった付随症状が現れた瞬間であることがほとんどです。

「マスクの紐やシャツの襟に引っかかって血が滲んだ」「お風呂上がりに無意識にボリボリ掻いてしまい、かさぶたになって巨大化した」という臨床例は非常に多く見られます。ここで知っておくべき現場の実情は、「痒みや出血があるからといって、直ちに悪性とは限らない」という事実です。良性の真皮内母斑であっても、盛り上がることで摩擦を受けやすくなり、二次的な毛嚢炎(毛穴の細菌感染)や接触皮膚炎を起こして痒み・赤み・痛みを生じることが頻繁にあるからです。

しかし、何ら外力を加えていないにもかかわらず表面がジュクジュクと崩れたり、わずかな接触で簡単に出血を繰り返す(易出血性)状態は、がん細胞の増殖によって正常な皮膚組織が壊死しているシグナルであり、厳重な警戒が求められます。

診察現場において、肉眼による主観的判断を完全に排し、正確無比な鑑別を可能にしているのがダーモスコピー検査です。これは、皮膚の表面に特殊なジェルを塗り、反射光を遮断した特殊な偏光拡大鏡を用いて、肉眼では見えない表皮〜真皮浅層の色素ネットワークパターンを観察する光学検査です。注射も切開も一切行わず、所要時間はわずか数分。患者に痛みを一切与えることなく、良性の母斑構造なのか、それともメラノーマ特有の非典型的な色素沈着や異常血管網なのかを90%以上の極めて高い感度で瞬時に見極めることができます。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。