日常の合理性とは対極にありながら、近年InstagramやTikTokなどのショート動画プラットフォームで絶大な人気を博しているのが、視覚的な楽しさを追求した剥き方です。
その代表格が花びら剥きです。みかんのヘタ部分を中心にして残し、お尻側からヘタに向かって皮を等間隔(6〜8等分)に切れ目を入れてめくっていきます。めくった皮を皿の上に広げると、まるで大輪のダリアやヒマワリの花びらが開いたような形状になり、その中央に果肉が鎮座する美しい構図が完成します。おもてなしの場でそのまま配膳できる実用的な美しさが支持されています。
さらに表現を発展させたのがみかんアートです。皮を千切らずに一筆書きの要領でカッターや爪楊枝を走らせ、皮を剥き終わったあとに「時計」「カタツムリ」「ウサギ」などの立体的なオブジェに変形させる技術です。日本各地のみかん産地でもコンテストが開催されるなど、単なるフルーツの消費を超えたコミュニケーションツールとして定着しています。